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83話 税金の重要性と領主たちの私欲

Author: みみっく
last update Last Updated: 2025-12-18 06:00:23

「素敵って……何が?」

 ユウヤは、ミリアの反応が予期したものと全く異なったため、戸惑いながら尋ねた。

「お考えがですわ……そこまで考えられる方はいませんっ」

 ミリアは、ユウヤの指摘の深さを心から称賛するように、情熱的な声で言った。

 ミリアが丁度良い事を言ってくれたので、ユウヤはこの機会を逃すまいと、静まり返っていた室内に響き渡るように、普通の声で話し始めた。

「税金の使い道を知らないんじゃないの? 自分達が領民から得たお金の使い道を間違えてるから、税金の大切さを分かってないんじゃないの?」

 ユウヤは、応接室にいる全員、特に隣の部屋で聞いているであろう貴族たちにも届くように、穏やかながらも核心を突く声で問いかけた。

「そうなのですか……?」

 ミリアが無邪気に、しかし計算された可愛らしさをもって首を傾げた。その仕草は、ユウヤの発言をより際立たせる効果を持っていた。

「領主だって自分達も税金で暮らして領土を維持と改善を普通はする立場だよね?」

「そうですわよね……領主も国王も同じですわね」

 ミリアは、ユウヤの言葉の正当性を認め、同意するように頷いた。

「同じ立場なのに税金の重要性を分かってないんだよね。分かってないって事は、その領主の税金は自分のお金だと思ってるんじゃない?自分のお金だから王国へ支払うのは勿体ないって思ってるんでしょ」

「そうなのですかね……?」

 ミリアは、眉をひそめ、まるで初めて聞く悪い冗談のようにユウヤに返した。

「税金を払えないって言う領地に行ってみれば分かると思うよ。領民から得た税金を領民への暮らしを良くしてあげようという考えは無いから、きっと領民は貧しく不住な生活をしてるんじゃないかな……共同の井戸が少なかったり、道が整えられてなかったりして、領主だけ税金を自分のお金だと思って豪勢な暮らしをしてるじゃない?」

「ありえますわね…

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